わくいふブログ

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第1回 わくいふ本屋企画

こんにちは。本屋企画のさいちゃんです。

 

前回のブログで告知した通り、いよいよ本屋企画の第一弾がはじまります。

2018年の記念すべき第1回目、1月のテーマ「新年によみたい旅の本」の選書と書評を掲載しました! あなたにとって「旅」とはどういったものなのか、新しい一年がはじまるこのタイミングでどんな世界が見たいのか、ゆっくりと考えながらおたのしみください。

 

 

 

①選書人:ゆりちゃん

  

「たった一度の人生。好きなことやんないで、何やんだよ」
強烈なメッセージが目に飛び込んできて、思わず手にして書店で開いてしまった本。
 

ページをめくるとなんと、
「子連れ家族で世界一周の旅したら、サイコーじゃない⁈」
ってさらにびっくりするようなフレーズから始まります。
びっくり。でも、わくわく。
 

旅って何がしたくて行くんだろう?
読み進めるうちに、旅行の本というよりは、父親から子供達、夫から妻への愛情が、びしびしと伝わってくる、家族の本のような、生き方の本のような、不思議な本。
 

さて、あなたは、たった一度の人生に、何をしたいですか?

 

 

 

②選書人:さいちゃん

 

 「ナイフなど持っているわけがない。ナイフの刃が刺さっているだけだ。」

にんげんのために涙を流せる、やさしくてちいさなこどもの左胸に刺さりつづけた鋭い刃から、目を逸らしてはいけない。包み込んでくれるはずだった故郷の街に潜む狂気とむごい運命に、巻き込まれるべきではなかったまだ幼い少年たち。愚かさに塗れても、窪んだ眼を得てしまっても、少年は最後まで優しいにんげんだったと、僕は証言したい。きみはほんとうにやさしい。今すぐにきみの憂さを取り払いたかった。言葉を並べる意味をも失いかける衝撃があった。そして、できることなら僕だけのものにしてしまいたかった物語です。

「おまえたちは、優しい子どもなのだ。」

 

 

 

③選書人:ゆい

 

 途中読むのを辞めたくなったことがある
働くことにもがく自分を切り取られたまま取り残されそうだったからだ

身を置く場所への葛藤
自分のダメっぷりに抱く虚無感を避け向き不向きという言葉で開き直る
その癖悔しい思いをしたら耐えきれない

気が付けば主観的に読んでいた
読み終える頃には彼女は前に進み次の景色を見ている

「大切なのは誰かに必要とされることじゃないんだ。本当の意味で、自分に必要なのは何か……それを自分自身で見極めることこそが、本当は大事なんだ。」

自分にはまだこの言葉を素直に受け入れる程の経験値が無い
誰かに必要とされたいとあがいている
行く先もわかっていない旅の途中にいるのだと痛感した

 

 

 

 ④選書人:しんちゃん

 

自分にとって、「旅」といえばこの人!「新年」という新しいスタートにこそ読みたくなる一冊です。作者は”世界”だけでなく”人生”も、フラットに自由に、流れるように旅をしている人です。学生時代にはじめて読んだときからそんな姿に憧れてきました。人生という旅を、どんな自分だけの地図を描いて、どう進んでいきたいのか…作者とさまざまな先人たちのストレートな言葉で、たくさん考えさせられます。自分も自分自身の言葉が誰かの勇気になれるような人なりたい!という決意を新たに…。自分の人生を改めて考えたり、プラスの言葉がほしい方にはぜひ読んでもらえたらうれしいです!

  

 

 

⑤選書人:たなちゃん

  

新年を迎えた今、あなたは何を思うのだろう。
少しでも悩みがあるのならこの本を開いて、古いオデッセイに乗り込んでほしい。
それは、あなたにとっての「たいせつな場所」への旅の始まりだ。
間違ってはいなかった。でも、他にも選択肢はあったかもしれない。
知らないことと、知っていて何もできないこと。どちらの方が不幸せなのだろう。
人生において「たいせつな場所」は気づいていないだけで無数に存在していたのだ。
もう一度その場所へ戻れても、現実は動かしようもなく、ある。
変えられない現実を前に、それでも未来を信じて。新年の一歩目をあなたはどこに出しますか。
本を読み終えたとき、今とは違った選択肢が見つかる、おすすめの一冊。

 

 

 

 ⑥選書人:いくちゃん

 

 人は〝やりたいこと〟と〝やれること〟が、全て同じではないといつ気がつくのだろう。
向き不向き、得手不得手。いろいろあるけれど、新しいことを始めるときの『わくわく感』。それは旅に似ている。自分が今できること、この先できるだろうこと、可能性。
もっと先へ、もっと先へと渇望する心。あつい。とにかくあつい。もっと彼らの走る姿を見ていたい。足掻いて進んで、その先に見えたいつまで経っても色褪せない景色。それは、何かに悩んだとき、何かを決断するとき、きっと新たな一歩を踏み出す勇気をくれる。
読む度に『わくわく』が増えていく。どこまでも行ける気がする。
読めば思わず走り出したくなる、そんな物語。

 

  

 

 

以上この六冊が、今月のテーマ「新年によみたい旅の本」で選書した本たちです。

前回とは書評のならびを変えてみました。実は同じ作家さんを挙げた文章が二組あります。偶然が重なるのもやっていて面白いですね。

 

 

 

選書をして書評を書くくらいだから、ここで選ぶ本は自分にとって本当に大切な本にしたいともちろん思うのですが、その一方で大事にしている大好きな本だからこそ、みんなに秘密にしておきたくなってしまいます。今回の書評の最後に、【できることなら僕だけのものにしてしまいたかった】と書きました。自分の心の形をも作り変えてしまう、または新しい血を流してしまうような小説に出会ったとき、その本を宝箱に隠すようにこっそりしまいたくなるのです。そのうえ、口頭でその本の良さを語ろうとしても大事なところをうまく伝えられない。(それはきっと、その小説から得たなにかは、個人的な感情あるいは感傷を経ているものだから具体的な言葉に置き換えられないのかもしれないけれど。)

 

しかしこの企画を始めてみて、その矛盾した気持ち、みんなに教えたいけど教えたくないという気持ちを完全に捨てなくても書評を書ける(この本の良さを伝えられる)ことに気がつきました。それはどうしてかというと、ここで書いた書評が「自分のことば」だからでした。ただあらすじやその小説の内容を「教える」のではなくて、この小説をよんで自分が感じたことを、あくまでも自分のことばで書けるからでした。その小説はどこかでみんな買うことができるけれど、僕たちがその小説を読んで感じたことや思い出したことを記したこの個人的な文章は、自分たちが創り出しているからです。唯一無二の文章です。たとえ僕の文章が誰かにとっては取るに足らないものだったとしても、誇りをもっていたいなあと思います。秘密にしておきたいという気持ちは、かっこ悪い独占欲なのかもしれないけれど、メンバーも同じ気持ちを少なからず持っているのではないでしょうか。

 

 ちなみに1月分の編集後記の会(*前回参照)は今月末開催なので待ちきれないそわそわした気持ちでこのブログを書いています…。

 

 

さて、来月第2回のテーマは

「寒い日に読みたいSF」です!!

 

実はこの書評、僕はすでに書けております。SFというジャンル縛りのなかで、「それぞれのSF」がみられることを期待しています。みなさまも楽しみにお待ちください!

 

 

 

 

 

 

こたえあわせ

 

①「FAMILY GYPSY 家族で世界一周しながら綴った旅ノート」高橋歩 https://goo.gl/Mqf2tf
②「疾走」重松清 上巻:https://goo.gl/AQ3MFg 下巻:https://goo.gl/zEtCQp
③「幸せの条件」本田哲也 https://goo.gl/w5na6A
④「人生の地図」高橋歩 https://goo.gl/SpZegp
⑤「流星ワゴン」重松清 https://goo.gl/Sy8Fqn
⑥「一瞬の風になれ」佐藤多佳子
第一部:https://goo.gl/f4zjBc
第二部:https://goo.gl/x93sno
第三部:https://goo.gl/t2LvZH