わくいふブログ

わくいふスタッフが送る、わくいふの活動やわくわくすることをお届けするブログです!

第0回 わくいふ本屋企画

こんにちは。本屋企画のさいちゃんです。
昨年から着々と進行していました、この本屋企画。
本格的な開始は1月(今月ですね…!)からですが、今回は12月に行った本屋企画の内容についてと、初回の告知をしていきたいと思います。

 

 

【本屋企画とは…?】
本好きが多い(文芸部が発足しているくらいですからね)わくいふメンバーの中から集まった、本の魅力を伝えたい!言葉のすばらしさ・美しさを知ってほしい!という想いを持った人たちにより発足した企画です。様々な本を読んで湧きあがった、自分たちの感性を届けたい。どこでも本が買える時代だけれど、一冊一冊を丁寧にじっくり紹介できるのはこの本屋企画だからこそだと自負していたい。そんな風に内に秘めたプライドがギラギラしているメンバーが集まっています。そして早速、我々は月ごとにテーマを決めて選書し、書評を書くことにしました。これぞという本をひとり月に一冊、全身全霊を込めてお届けします。

 

そして、我々が12月に選書したテーマはこちら。
『クリスマスに贈るファンタジー』

 

それぞれの感性が光る12月の選書を、さっそく読んでもらいたいと思います。
タイトルは伏せ、選書人と書評を並べます。答え合わせはいちばんさいごに。

 

 

 

➀選書人:たなちゃん

 

「最高のクリスマスプレゼントは一番お金をかけたものではなく、一番多くの愛がこもっているもの。」というヘンリー・ヴァン・ダイクの言葉があります。クリスマスは「愛の日」。あなたが思い浮かべる「愛」はどんなものでしょうか。これは、「自分よりも愛するものが、私にはあるだろうか」、そんなことを思わせる1冊です。クリスマスが万人にとって素敵なものではないように、「愛」のかたちも、誰に、どのように向けられるかによって大きくかたちを変えるものです。あなたにとって「愛」とは何でしょう。自分よりも大切な何かがありますか。そんなことを「愛の日」であるクリスマスに考えてもらえたら。そんな思いでこの本を選びました。

 

 

 

②選書人:さいちゃん

 

‪「僕のテゾーロは雨が降るとわがままを言うからね」‬‬‬‬‬

江國香織さんの創り出す世界は、僕にとって幻想でした。おさない僕には描けない世界でした。だから僕は江國さんの描く空間に憧れてしまった。穏やかで清潔で静かな、彼らの満ち足りた生活に。超然としたさみしいミラノの街並みに。僕は彼女たちの悲しみを知らないけれど、気づけば共にミラノにいる。彼女の思い出す日本にも、忌々しい記憶の中にも入ってゆける。彼女が創り上げた高く硬い壁の外側で、現実と幻想の狭間で、混沌としながらも彼女たちを思い描く。いとおしい物語です。

「私が怠惰でも、マーヴは許してくれるわ」

 

 

 

➂選書人:いくちゃん

 

少しの好奇心が、運命の歯車を大きく狂わせる─
人生は選択の連続で、選択は人生を大きく左右する。その中で意識して選んだものが、どれくらいあるだろう。
あの時ああしていれば。あそこでああ言えば。
振り返って後悔することはたくさんあれど、戻ってやり直すことはできない。
〝現実の世界〟では。
少年が1人のバンパイアと出会い、共に過ごす中で大事なものを見つけ、それを守るために戦う。葛藤もある。苦悩もある。それでも親友や仲間のために前に進む。
そうして選んできたものが示す『運命』。
読み進めるにつれ明かされていく真実。帳尻の取れた『世界』を相手に、少年は選択と決断を繰り返す。
これは〝物語の力〟を問うファンタジー。

 

 

 

④選書人:しんちゃん

 

絵本という形で、「死」というものをとてもポップに、そしてものすごくポジティブに表現した作品です。大好きなヨシタケシンスケさんが描くこの物語は、死ぬまでのことなんてちまちました考え方ではなく、死んでからのことだって、いつでも「これから」を考えることってできるんだ!ということを、自分に気づかせてくれました。なにより考え方の柔軟さがすごい!ほっこりした絵とアイデアとともに、こんな風にわくわくって広げられるのかー!と心が躍ってきます。あなたは、これからどうしちゃいたいですか?この本が少しでも、わくわくした毎日へのヒントやきっかけになってもらえたらうれしいです。

 

 

 

⑤選書人:ゆい

 

子どもの時に一生懸命サンタさんに願ったもの、大切な人からもらったもの、愛する人を思い贈ったもの
あなたにもわすれられない「プレゼント」があると思います。
この本を読んだ後、その「プレゼント」が変わるかもしれない、という訳ではないのだけれど。
ただ、きっと思い浮かぶわすれられない「プレゼント」が少しずつ増えていく。
私たちの心の中にしまってある形なき「プレゼント」を思い出すことを教えてくれる作品です。

読みながら涙したとしても、あなたの大切な誰かを想い温かい気持ちになると思います。
その人から何をもらったのかと。そして自分はだれかに何をおくったのかと。

 

 

 

⑥選書人:ゆりちゃん

 

一年に一度の特別な日、クリスマス。あなたは、どんな場所で誰と一緒に何をして過ごしたいと願っているでしょうか…。

「おしゃれな洋服を着て、素敵なディナーを食べに行きたい」「おうちでみんなで集まってクリスマスパーティーがしたい」それとも「ゆっくりと静かに過ごしたい」?
今、着ているもの・身につけているもの・持っているもの・食べているもの・住んでいる場所…それらは、全て「あなたが選んできたもの」と感じたことがありますか?そしてこれから先のことは「あなたが決めていけるもの」という実感があるでしょうか。

今年のクリスマス、そして来年も「自分がときめくもの」でいっぱいの素敵な時間にしたい方におすすめの一冊です♪

 

 

 


以上、この6冊が12月の選書でした。
今回はそれぞれの文体や書き方の違いを楽しんでもらうためにも、選書した人の名前を最初に書いてみました。タイトルを伏せる形式は今後も変わりませんが、この「選書人」のところも隠したり隠さなかったりしながらつづけていきます。(書評の文体で誰が書いたかわかるようになるかも…!)

 

これをみんなで読みあったとき、約3時間くらいの白熱したトークが繰り広げられました。ほかの人の書評を読んでみるとまた新しい感性が生まれてとまらなくなった。書評ひとつひとつじっくり堪能し、終始興奮しながら考察したり書き手の率直な気持ちを聞いたりしました。かなり濃密な時間でした。途中で録音しておけばよかったと気付き、その後なんども「録音したかった~」と本気で悔しがりました。書評ではネタバレができないために書けなかったこと、個人的な深い思い入れ、独自の本の読み方などなど、直接メンバーが集まって顔を合わせるからこそとまらない「想い」が溢れてきました。それぞれの書評にその人の人柄や考え方が現れるのが面白いということは、メンバーである自分たち同士だからこそわかることではあるけれど、それすらも外に発信したいと思いました。それが、わくいふで本屋企画をやることの醍醐味だから。僕たちの「感性」が価値を持つ企画でありたい。
選書後のこの白熱トークの時間を「編集後記の会」と命名しました。これはのちほどこの企画が本としてまとまったときに掲載しようと思っています。もしこの編集後記の会に興味があったら、ぜひわくいふ本屋企画の冊子を手に入れてみてください。春夏秋冬、それぞれ季節ごとに一冊ずつ出す予定なので、楽しみにお待ちください!

 

さあ、そしてついに1月の選書から本格始動です!
1月のテーマはこちら。
「新年によみたい旅の本」!


僕も今まさに書評を書いているところであります。乞うご期待!!!

 

 

こたえあわせ
➀「ツナグ」辻村深月 https://goo.gl/RGu7B8
➁「冷静と情熱のあいだ江國香織 https://goo.gl/CnghrY
➂「ダレン・シャン」Darren Shan 作/橋本恵 訳 https://goo.gl/NqZGui
④「このあとどうしちゃおう」ヨシタケシンスケ https://goo.gl/xJQ2dY
⑤「わすれられないおくりもの」スーザン・バーレイ 作/小川仁央 訳 https://goo.gl/HgNFeg
⑥「イラストでときめく片づけの魔法」近藤麻理恵 https://goo.gl/sHi5Ej